代表あいさつ

You are precious 君の未来、輝く笑顔!
誰もが輝ける価値がある


私自身、ずっと劣等感のかたまりでした。自分が何をしたらいいのか、夢も自信もなかった。両親はいましたが、自営業で二人とも一生懸命働いており、いつも一人でご飯を食べていました。気持ちが歪み、大学生の時に薬物依存症になって苦しみました

薬物依存症からの回復を目指す中で『なぜこうなってしまったのか』と自分と向き合った時に、本当はずっと寂しかったんだと気がつきました。幼い頃を遡ってみたら愛情に飢えていたことに気づいたんです。いつも自分を良く見せよう嘘をつき、強がっていました。でも本当は、等身大の、ありのままの自分を認め、愛してほしかった。本当の思いを隠してきた結果、もがき苦しんでいたんです

私は23歳でイエスキリストの言葉に触れ、『私は目的を持ってこの世に生み出された神様の傑作品で、最高の価値がある存在なんだ!』と自分自身を初めてありのまま受け入れることができました。この心の平安が私の原動力です。その後キリスト教会の牧師になり、薬物依存症から回復し、『君は生きているだけで価値があるんだよ!』と伝えずにはおれなくなりました。駅前の夜回り、自立支援、子ども会、里親等の活動を始めたのです。うなだれている人、死にたいと思っている人、行き場を失った人…。そんな人たちに出会い、ともに暮らし、見えてきた苦しみの根っこは孤独感であり、誰もが幼少期に家庭のあたたかさを体験できていませんでした。

多くの大人の支援に携わって感じたことは、大人になって心の空洞を埋め、生き方を変えていくことはとても難しく忍耐がいるということ。できるだけ若い頃、子どもの頃、幼少期の頃により多くの愛情を注いであげることが回復の近道であることを実感しました。それらの実体験が現在のライフアゲインの活動へと発展しているのです。

今年は平成から令和に年号が変わる節目の時期であり、世界においては《子どもの権利条約》が国連で採択されて30周年。また、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標( Sustainable Development Goals、SDGs(エスディージーズ)))に対しても北九州市が《SDGs未来都市》として昨年選定され、本格的に動き始めました。

『すべての子どもたちが大切』とされる社会、すなわち、『子どもの中に潜んでいる可能性が大切にされ、その可能性を尊敬し、子どもたちひとり一人がかけがえのない存在として愛される社会』の実現を目指して私たちは今日も明日も走り続けます。

この節目の時期に流れている波を更に大波とできるようともに走り、そのような社会を創っていきましょう。


特定非営利活動法人 フードバンク北九州ライフアゲイン

代表 原田 昌樹

 

設立の趣旨


私たちの社会は、戦後の混沌とした状況を克服し、経済大国と言われるまでに成長しました。そして先進国の仲間入りを果たし、物があふれる豊かな国となりました。しかし現実は、競争社会の中で脱落していく者を多く抱えてしまい、わが国では年間3万人を越える方々が自死し、格差が広がる社会の中で野宿1歩手前のワーキングプアが急増、毎年50人から100人ほどが餓死しています。この国の将来を担う子どもたちにおいては、相対的貧困率は09年時点で17歳以下の子どもの約16%、320万人以上が貧困状態にあります。離婚率の上昇により、ひとり親世帯が増加し、ひとり親世帯の子どもに限ると貧困率は5割を超え、先進国でも最悪の水準なのです。

一方、そのような状況の中で日本の食品ロスは年間646万トン、3食に1食は残されたり廃棄されているのです。ここで私たちは、まだ使える食品を廃棄する社会構造が、まだ十分に世の中に貢献できる社会的弱者を切り捨ててしまう社会状況を映し出しているように思えてなりません。食品は私たちのいのちを支える大切なものです。食品ロスを困窮者支援に役立てる中で、『食べ物のいのちは人のいのちにつながっている。』・・私は自立支援活動をしながら強く感じました。

また現在我が国は、環境と経済が両立する循環型社会の構築において、3R政策に力を入れていますが、その中でフードバンクは大量の食品廃棄物の『発生抑制』(リデュース)に大きく貢献し、食品ロス削減の環境改善事業であるとも考えています。

このような中、私たちはフードバンク事業を通して食品ロスの削減に貢献し、食品を必要とする方々、特に子育て世帯に注力して食料支援を行いつつ、ファミリサポート事業において信頼関係を築く中で真に必要な支援につなげ、子どもの笑顔が未来にも続く『すべての子どもたちが大切』とされる社会を築いていきたいのです。

フードバンク北九州ライフアゲインにつながった子どもたちが、「お金がない」とか「学歴がない」とか「~がない」という理由で将来の夢をあきらめさせてしまってはいけないと感じています。

  • 大学に行きたくてもお金がないために上を目指せない子どもには、お金がなくても目指せるしくみや情報を。
  • 学力がなくても他の秀でた才能があれば、その道に進める情報やネットワークを。
  • まだ夢が見つからずにもがいている子どもには寄り添いながら一緒に見つけられる居場所を。

それらが実現できる社会を創りたいと願っています。そして、その力の土台を最初に据える最も小さな社会が家庭だと思っています。だからこそ、「生まれ育った環境のために、満たされる食事ができない、十分な教育を得られない、寂しい思いをしている子どもたちを北九州からゼロにする」をミッションに掲げ、邁進してまいります。

以上の趣旨により、フードバンク北九州ライフアゲインの事業が市民の信頼を得て、市民によって育てられ、託された社会的使命を達成していくために、民間非営利組織であるNPOが最もふさわしく、かつ、関わる企業との契約において、法人格を取得することは必須です。よって、私たちはNPO法人の申請をし、現代社会の抱えている根源的な問題に取り組んでまいります。